某博物館の学芸員をしている従兄から「おまえの好きそうなものがあるぞ(ニヤニヤ)」と言われていたので、市内観光の際にひかり嬢とめがね橋付近の「江崎べっ甲店」に!
ランタンフェスティバルの翌週だったからか(?)市内は結構ガラガラ。あまり亀さんは好きではないのにニャーと思いながらも、解説をじっくり読んでいく。「へー、ニコライ2世(このときはまだ皇太子)に献上したのか」とか「ほー、こんなものまで作れるのか」とか、だんだん面白くなってきた。ちなみに、ニコライ2世はここ、「江崎べっ甲店」を訪問した後に、滋賀県で「大津事件」受難となる。ちなみに「大津事件」とは大津市の教育委員会の「いじめ隠ぺい問題」ではなく、警察官がニコライ2世に切りつけたという事件のことである。
それはさておき、なんとなくその展示の上をみると、さりげなくべっ甲で作られた戦艦「日向(写真)」がっ!!ぐはぁ!!しかも結構緻密!
「これは装甲ならぬべっ甲だね!」とか「まだ艦橋が高くないから竣工時だね」とか、僚艦のひかり嬢に話しかけるのだが、本人はアクセサリーを観ていてまったく無関心である。
べっ甲とは、江崎べっ甲店のパンフによると「…タイマイの甲羅を利用した加工工芸品です。」そのまんまや…。要するに亀の甲羅を加工したものなのだが、その歴史は古く、遣隋使の小野妹子が持ち帰ったものの中にもあったらしい。正倉院に保存されているとのこと。実に伝統ある工芸品なのだ。ちなみにべっ甲飴の「べっ甲」とはべっ甲細工に色が似ているからその名がついた。決して某プロバイダ等ではない…。
詳しいことはお店の人に尋ねられなくて(結構お客さんが多くて忙しかったので)わからなかったのだけど、推測するに三菱重工長崎造船所で竣工した艦船のお祝い用(?)等で需要があったのではないか。
一般向けに、櫛や鯉の置物などももちろんあるのだけれど、思いがけず伝統工芸と近代技術のコラボをみて感動してしまった。
もうひとつ、原爆の爆風で破損したままの「香取(戦艦のほう)」も展示されていた。戦艦「香取」も金剛と同じくイギリス製なので不謹慎にも脳内で「Shit!提督に貰った大切な装備がーっ!」が再生されてしまった…。
もっとよく観たかったのだが、ひかり嬢が「あの…ハートストーン…観に行かないんでしょうか…」と雪風Voiceで急かしたので、店舗を退出した。
実に興味深い長崎旅行であった。
※写真はお店の許可を得て撮影しています。